「オリンピックが終わった後に不動産バブルが崩壊する」という大方の予想を裏切って、2008年の北京オリンピックの1年前に、それは崩壊しました。
北京オリンピック前の不動産バブル崩壊と、上海市場の崩壊という2度の危機を乗り切った中国の新興の富裕層は、次のターゲットを米国と日本の不動産市場に目を付けました。
中国の新興富裕層の資金は、オバマ政権の貧困化政策によって破綻させられた米国の自治体の不動産を安値で買い、同時に、2020年の東京オリンピック開催を当て込んで、東京23区内の新築物件に向かいました。
東京23区内といっても、特に過熱しているのは、山手線の内側と東京湾岸エリアです。
初期の頃、東京の不動産会社の図面を見ただけで、住むことのない豪華新築マンションを次々と買っていったのです。
それは、2013年から2014年に集中しました。
日本の税制では、不動産購入後5年以内に売却すると、売却益の35%に税金がかかってきます。しかし、5年以上が経過後の売却益にかかってくる税率は21%に大幅減額されるます。
湾岸エリアのタワーマンションを爆買いした中国人の富裕層は、購入後5年が経過する2019年に売り払おうと考えてるはずです。
中国人富裕層が、彼らが描いたとおりに東京の不動産投資で莫大な利益を出すことができるかどうかは、小池新都知事にかかっています。
彼女が、築地移転問題を速やかに片づけて、豊洲新市場へ向かう“オリンピック道路”の着工に取りかかり、残された築地の跡地に森ビル(社名は日本語であるが、実質は外資)が新しい商業施設を建設する計画を世間に披露し、東京の湾岸エリアが、カジノの都市として変貌することが明らかになったとき、2019年問題は、中国人富裕層の思惑どおり、宝を生み出すでしょう。
しかし、東京オリンピックが、最悪、頓挫の方向に向かったり、都心の再開発計画と切り離された場合、2019年を待たずして、東京23区内の新築物件の価格と、湾岸エリアのタワーマンションの価格には、早くも値崩れの兆候がはっきり出てくるでしょう。
その場合は、東京の地価暴落は、もっと早い時期にやって来るでしょう。それが、東京が抱える脅威になる可能性は高いです。
営業部 川村