サブリースの問題点

サブリースを完結に言うと「転貸」もしくは「又貸し」です。オーナーがある人に部屋を貸し、その借りた人が同じ部屋を別の人に貸すことです。そしてこれをシステム化し、商品として提供するようになったのが、現在のサブリース事業であり、おもに販売会社のグループである管理会社などがオーナーから借り上げる形態が一般的となっています。

サブリース契約の最大のメリットは、長期に渡って一定の家賃収入が保証される点です。ただ、そのメリットには見落とされがちな盲点があり、場合によってはマンション経営の根幹を揺るがすほどのリスクに発展し得るケースもあります。

例えばサブリース会社は、オーナーから借上げる際、あらかじめ契約書で決めた保証賃料をオーナーに支払います。契約書には、「サブリース賃料は7年間据え置く」などと記載されています。にも関わらず、契約開始から3年程度で、サブリース賃料が一方的に減額されるケースがあります。

これはサブリース契約の盲点でもあるのですが、「サブリース契約を含む普通建物賃貸借については、経済事情等に鑑みて現状の賃料が不相当な水準となった場合に契約条件を見直し、賃料の増減が請求できる権利がある」という最高裁の判例があるため、たとえサブリース契約書に記載された約束事であっても、訴訟に至った場合は民法が優先され、保証されたはずの賃料が減額されるというリスクがあるのです。またサブリース会社からオーナーに支払われる賃料は、通常、相場家賃の80%~90%程度とされています。

ただ、サブリース会社としては、周辺と比較して確実に入居が見込める家賃で査定するため、相場よりも低い査定となり、オーナーが享受すべきリターンが見込めなくなるケースがあります。そうなればローンを組んで買われている大半のオーナー様の場合最初で言えば返済額より家賃のほうが多くて手残りがあったものが、毎月自身のお財布からお金を出して運営になってしまっていることがほとんどです。

ここまでサブリースのリスクについて触れましたが、サブリースを生業とする会社である以上、利益を見込んでの事業であるということを理解しておかなければなりません。

サブリース期間が短中期間ならまだしもずっと同じ賃料を保証するというのはどう考えても不可能であり、一定の“しばり”を設けなければ、事業を維持して行くのは難しいのです。

また、最近では、金融機関が融資する際、サブリース契約の導入を条件とするところが多く、これは不動産事業そのものがリスクを抱える事業であり、そのリスクを回避する手段のひとつとしてサブリースがあるのだと判断されているためです。

最近はニュースでもよく取り上げられているなかでもあまりリスクは説明されないことの多いサブリースですがそういった点を踏まえ、サブリース契約にはさまざまなリスクがあることを十分理解することが重要だということですね。

株式会社REGALE 川名

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